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久米 民和; 渡辺 宏; 武久 正昭; 佐藤 友太郎*
Agricultural and Biological Chemistry, 45(6), p.1351 - 1355, 1981/00
グルコースイソメラーゼを種々の条件下で照射した場合の放射線感受性について検討した。菌体内グルコースイソメラーゼは指数関数的に失活し、酸素存在下での著しい増感効果が認められた。遊離の酵素を照射した場合には、細胞内の場合に比較してより高い放射線感受性とより小さい酸素効果が認められた。酸素増感率(OER)は菌体内で3.7、粗酵素液で2.0、遊離の酵素で1.3であり、酵素の精製度とともに減少した。精製酵素では逆に酸素による保護効果が認められた。 遊離の酵素液にグルタチオンを添加して照射すると、失活は著しく保護され、N中での失活曲線は菌体内での失活曲線にほぼ一致した。O中でのグルタチオンによる保護効果は高線量域で消失したが、これはグルタチオンがO中での照射により分解し易いためと考えられた。
久米 民和; 渡辺 宏; 佐藤 友太郎*
食品照射, 14, p.15 - 19, 1979/00
Streptomyces phaeochromogenus産生のグルコースイソメラーゼに対する線照射の影響を検討した。菌体懸濁液をN中で照射した場合、低線量域で著しく失活し、以後指数関数的に失活した。本実験で用いた菌体懸濁液中には約45%の酵素が遊離の状態で存在しており、放射線感受性の高い遊離の酵素と比較的放射線抵抗性の菌体内酵素の失活の合成曲線としてこのような結果が得られたものと考えられた。一方、菌体内酵素の酵素増感率(OER)は3.7と非常に高い値を示したものに対し、ダイノミルによる菌体破砕上澄液では2.0,遊離の酵素液では1.3,精製酵素では逆に酸素による保護効果が認められ、酵素を精製するに従いOERが減少するという結果が得られた。遊離の酵素液に対するグルタチオンの添加効果を調べた結果から、細胞内には多くの保護物質が存在し顕著な保護効果を示しているが、保護物質の一部はO存在下で著しく変化し保護効果を示さなくなることがin vivoにおける酸素効果の一因であると考えられた。